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スポーツ施設をオフィスにコンバージョンへ対象となったUSCビルは、当初は同一敷地内にUSCビルと鵜川ビルの2棟が建てられていました。この2棟を当社の子会社であるSFインベストメンツが信託受益権として取得したのが、2005年10月のことです。この2棟は、1984年に建築された小規模の鵜川ビルを増築する形で1990年にUSCビルが建てられたという事情から、建築基準法上は一体の建物となっていました。USCビルは、テニスコートやプールを備えたスポーツ施設と、オフィス、オーナー住居で構成された複合用途のビルで、当初は既存設備を活かしたままわずかなリニューアルを構想してました。その内容は、収益が悪化していたスポーツ施設をリノベーションし、新たなスポーツ施設テナントを誘致して収益改善を図るリノベーションか、あるいはテニスコートだった1階と4階をオフィス床に変える程度のコンバージョンを考えておりました。
しかしその後、2棟1建築物という特殊な条件を活かし、鵜川ビルの解体によって得た容積をUSCビルに移転することを考案。 自然とオフィスの共存を追求しプロジェクトを推進本プロジェクトの特徴のひとつは、前に述べました容積の移転により、2階建てのスポーツ施設であったUSCビル別館を5階建てのオフィスビルにコンバージョンしていることです。この別館はもともと、本館の1階と4階に相当する部分、および屋上がテニスコートとなっていました。このうち天井高12mの1階の空間を3層に分割し、同時に天井高10mの4階も2層に分けて床を張ることで、合計で5層分のオフィスフロアが別館に設けられることになりました。さらに、解体した鵜川ビルの跡地の側へ7mほど張り出させることで別館全体を増築し、別館の1フロア当たりのオフィス面積を大きくしています。 本館8階にあった旧オーナーの住居は、そのままオフィスとしてコンバージョンするには形が不整形であり、またエレベーターへのアクセスなどの点で使い勝手が悪く、同じビル内にある他のフロアにくらべて競争力が劣ってしまう恐れがありました。そこで考えたのが、梁と柱だけを残して住宅部分を解体し、その容積を別館のほうに振り分けるという方法です。階下テナント様に入居ご利用いただいたままの解体でしたので、高水準な準備と技術を要しました。別館の広いオフィス空間は、鵜川ビル解体とともに、この部分の容積の移転によって生み出されたものです。 またプロジェクトのもうひとつの特徴といえるのが、環境問題への取り組みです。サンフロンティア不動産グループは、再生型不動産事業による環境負荷の低減を事業ポリシーとしています。今回の案件も、「自然とオフィスが共存するコンバージョン」をコンセプトに、産業廃棄物の減少や二酸化炭素の放出削減、屋上緑化など、さまざまな環境保全策を具現化しました。まず、テニスコートがあった別館屋上には緑化を施し、ビオトープ(生物が生息する庭園)を敷設し、同ビルで働くビジネスマンたちの憩いの場として開放させていただいているほか、鵜川ビルの解体跡地も公開緑地として開放し、自然環境との共生を実現しています。また、本館空調機の更新によって、更新前の空調効率と比較して消費電力を約41%削減。さらには、オーナー住居だった本館8階には、解体後に発電容量30kwの太陽光発電システムを設置し、発電した電気をビルに供給させ環境負荷エネルギーの削減を図るなど、「自然とオフィスの共存」というコンセプトを徹底的に追求したプロジェクトとなりました。 地球環境に配慮したプロジェクトで大幅な収益改善を図る今回の施工を担当したのは戸田建設様ですが、同社の技術研究所に、日本建築学会の「建物のLCA指針」に基づき、プロジェクトの環境評価レポートを作成していただいております。その内容とは、今回のコンバージョン工事によって生み出されたオフィスの延床面積について、仮に同じ仕様の建物を新築した場合と、今回のように躯体だけを残して中身をコンバージョンした場合と、環境に与える負荷がどれだけ違うかを比較したものです。レポートの主な項目としては、主要資材投入量、CO2排出量、LC(ライフサイクル)バージン資源投入量、LC廃材発生量、LC最終処分量などが挙げられます。特に注目していただきたいのは、LCバージン資源投入量です。これは、建物のライフサイクルで投入されるすべての資源量から、他の建物などからリユースされたものを差し引き、さらにコンクリートやアスファルトといった建設資材そのものに含有されるリサイクル資源の分を差し引いたものです。つまり、再利用をせずに新たに採掘して投入した資源の量を表わしたもので、当該工事が地球上の限りある資源をどれだけ消費しているかを知ることができます。今回のコンバージョンでは、このLCバージン資源投入量を新築工事に比較して65%削減しております。 ![]() ![]() ![]() なお本物件は東陽町駅から徒歩7分のイースト21に近接した立地で、また東陽町駅から大手町駅までは地下鉄で9分とアクセスがよく、オフィスニーズの高い好立地ということもあり、リーシングは好調で、当初36.4%だった稼働率は竣工前に早くも90%超となりました。物件の取得時の平均坪単価は当初約1万3,000円だったが、満室想定では約1万6,500円まで上昇を見込んでおります。約1億2,000万円だったNOIも約6億円超(満室想定)となる予定となっており、約5倍のバリューアップを実現できることになりました。 |




外観
テニスコート
プール
ビオトープ
太陽光発電












