FRONTIER JOURNEYとは

FRONTIER JOURNEYでは、サンフロンティアに関わる社内外で活躍するさまざまな「人」に焦点を当て、
仕事への想いや人生哲学を深くお聞きし、私たちが大切にしている「利他の心」や新しい領域にチャレンジし続ける「フロンティア精神」についてお伝えしています。
人々の多彩な物語をお楽しみください。

Vol. 012

“しなやかさ”と“情熱”を武器に
チームメンバーと共に渦を成す
新時代のリーダーシップ

リプランニング事業部
小山 竣平Shunpei Koyama

2022年10月7日

地下鉄「神保町駅」から徒歩約5分の地に建つビル「ILLUMIRISE(イルミライズ)神保町」。築34年の歴史を持つビルが、サンフロンティアのバリューアップ事業によって生まれ変わった。プロジェクトリーダーに抜擢されたのは、当時入社わずか3年目、弱冠26歳だった小山竣平だ。まだ若手の社員にとっては、大きな気負いとなったことだろう。しかし、小山は「自分がチームを引っ張っていく、という感覚はなかった」と語る。
サンフロンティアでは、いわゆるゆとり世代、Z世代と呼ばれる新世代の人材が次々と頭角を現している。小山のリーダーシップから、彼らが何を考え、どう動こうとしているのかの一片が見えてきた。

「チームを1人でグイグイと引っ張る」は目指さない。
小山が理想とする、メンバーでつくる“渦”とは

学生時代から、バスケ部の部長を務めたり、委員会活動に積極的に参加したりするなど、リーダー気質はあった小山。そんな彼がサンフロンティアで最初にプロジェクトリーダーをになったのは、驚くことに入社後わずか2年目。積極的で熱意のある人材であれば年齢や経歴に関係なく、仕事を任せるという同社の社風と小山の気質が見事に結びついた結果だった。

「最初にプロジェクトリーダーを務めたのが入社2年目の6月ですから、実質、社会人となってからほぼ1年後。当社には、上司の顔色を気にしないといけないという空気が一切ありません。年齢に関係なく、自立して仕事にあたる人材が評価されます。たださすがに、当時は不動産の知識を含めリーダーとしてのスキルが不十分で、実際は先輩リーダーに補佐してもらっている状況でした。たくさんの失敗もありましたが、学びも多かったですね」

そんなファーストプロジェクトだったが、その積極性が買われ、今回のプロジェクトでもリーダーへ抜擢。2021年の夏、入社してから3年目のことだった。デザイナー、プロジェクトマネジャーなど、メンバーは小山よりも圧倒的に“手練れ”揃いの総勢6名。小山の役割は、事業計画を立て、メンバーの仕事をまとめ、お客様の期待を超えるバリューを生み出すことだ。まず心掛けたのは、メンバーとの丁寧なコミュニケーションだった。

「もともと、リーダーになることで自分が先頭に立ち、仲間をグイグイと引っ張っていかなければ、といった感覚は薄いです。僕の役割は、メンバー1人ひとりと密にコミュニケーションを取り、自分よりも知見の深い彼らの意見やアイデアを十分に引き出すこと。それにより、チームとして最大のパフォーマンスを出すことを強く意識していました。言葉で表現すれば『チームプレー』に重きを置いているということになるのでしょうが、自分の中ではチーム全体に大きな“渦”を起こし、その渦に仲間を巻き込んでいくようなイメージかな。そして自分が、その渦の中心にいるような感覚です」

そのために最も腐心したのが、“メンバー全員が意見を出せる環境づくり”だという。

「意見は、『メンバーから僕へ』だけの一方向とせず、なるべくメンバー内でも共有するようにしました。正直、それは難しいだろうと思えるわがままな意見や、どう考えても無理だろうと思える内容もありました(笑)。でも、どんな意見でも頭ごなしに否定することなく、まずは全員で傾聴して共有する。その上で、みんなで結論を出す。僕が目指す“渦”は、そんな丁寧なコミュニケーションの先に起きるものだと思っています」

業務外のコミュニケーション、背中で情熱を語る…
新旧ハイブリッド型のリーダーシップで、チームをひとつに

しかし、大きな“渦”を成すためには、業務内でのコミュニケーションだけでは足りない、と小山は考えているようだ。

「積極的な意見を引き出すためには、まずメンバー間の垣根をなくさなければなりません。ふだんの雑談はもちろん、社内部活動や合宿などの場も活用し、メンバーたちとは徹底的に会話することを心掛けました」

新世代流のリーダーシップの“秘策”。その考え方の根っこには、現在では忌避されがちな“飲ミュニケーション”とどこか通じるものもある。しかし、お酒の場に限らず、どんな機会も活用できると捉えるそのしなやかな姿勢は、やはり今の時代ならではのものだろう。

こうした柔軟な考え方の一方で、小山には情熱的で泥臭い一面もある。「ILLUMIRISE神保町」の工事期間中、早朝に地震が起こり、現場でエレベーターが止まるトラブルが発生した。地震発生の数十分後、なんと現場には小山の姿があったのだという。何よりも現場が心配で、自宅から自転車を飛ばして駆けつけたのだ。

「まだ入社3年目で知識も経験も乏しいですから、気力や情熱でチームをけん引したい、背中で語るリーダーでありたいという想いですね。まわりに対するパフォーマンス的な意味合いも少しはありましたけど(笑)」

学生時代からリーダー経験があった小山には、さまざまな背景を持つメンバーの熱量は、リーダーの言動に左右されることがわかっていたのだ。それを言葉よりも行動で示そうとする姿勢は、“スマートでクールな新世代”のイメージとは異なるものだ。しなやかでありながら、必要なときは一本筋を通す硬軟自在なリーダーシップ。このハイブリッドなスタイルこそが、まさに新時代の形といえるだろう。

老舗蕎麦店とのやりとりで気づいた
丁寧なコミュニケーションの大切さ

神保町といえば、古書店、カレー店、喫茶店など“老舗”、“名店”の冠がつく店や建物が多い街だ。一方で、都市の再開発も行われつつあり、真新しいビルも林立する。

「実は母校の大学も神保町だったんですよ。熱心に通っていたわけではないのですが(笑)。学生から社会人、子どもまでいろんな人がいて、歴史はあるけれど、最新の企業もどんどん入ってきている街。歴史と最先端が交わっている空気が面白いですね」

「ILLUMIRISE神保町」のすぐ隣にも、100年以上の歴史を誇る老舗蕎麦店がある。着工当初、その店との間で、まさに新旧のギャップが混じる街に相応しいトラブルが巻き起こった。

「工事が始まった当初、蕎麦店の店主から『騒音がうるさい』『異臭がする』『時間が長い』という指摘を何度もいただきました。おっしゃっていることはそのとおりだったので、こちらはひたすら謝るしかありませんでした。とてもお怒りだったので、最後には『もう工事なんてやめろ!』と突き放されてしまうのではないかと思っていました」

しかし、足しげく店に通って謝罪を重ね、世代の大きく離れた店主とコミュニケーションを重ねていくうちに、自分に何が足りなかったか、何をすべきかを学んでいった。

「お店の方からすると、よく分からない不動産業者が隣で工事をはじめたら、どうなるかわからない、という気持ちですよね。その不安を意識していないことに気づいたんです。また、事前にきちんとあいさつをする、工事内容を丁寧に説明する、といった基本的なコミュニケーションができていなかった」

あいさつをして筋を通す、情理を尽くして説明をする。そうやって少しずつ対話を積み重ねていくと、やがて店主も「怒り」の奥にある自分の想いを少しずつ伝えてくれるようになった。

「『うるさかったり、異臭が多少するのは工事なんだから仕方ないのはわかるんだよ。ただ、いきなりだと不安なんだ。だから事前に教えてほしい』と…。お怒りから『人生の大先輩の愛ある助言』に変化したように感じた瞬間でしたね」

実際、明らかに変わったこともあった。小山の呼び方だ。

「最初は単に『工事業者さん』と呼ばれていのたが、『サンフロンティアさん』と社名で呼ばれるようになり、その後は『あんた』、最後には『ぼくちゃん』と(笑)。気恥ずかしさもありましたが、正直うれしかった。ぼくちゃんと呼ばれるころには、工事の進め方や周囲への伝え方などのアドバイスもいただけるような関係になりました」

工事後半になると、小山は蕎麦店の客として頻繁に訪れ、老舗の味を味わいながら店主の意見を頂戴することも少なくなかったという。

「工事が無事に終了した今でも、ときどきお蕎麦をいただきにお邪魔します。他のプロジェクトも同じなんですが、僕たちの仕事は“街”があってこそ。物件だけでは成り立ちません。だからこそ、街の方たちとのコミュニケーションの大切さを学ばせていただきました」

“もっと大きな渦をたくさん巻き起こし、街を変えていきたい”
小山が見据える未来の仕事

ゆくゆくは建物一棟だけでなく、地域や街全体をバリューアップするプロジェクトを生んでいきたいという展望を明かす小山。「そのために必要なことは?」と問うと、「もっとたくさんの人とコミュニケーションをとり、大きな渦を起こすこと」という答えが返ってきた。

「コミュニケーションって、何も仕事だけに限りませんよね。最近は休日に仕事以外のコミュニティに積極的に参加するようにしています。たとえば佐渡に当社が経営しているホテルがあるんですが、ベッドメイキングや皿洗いのスタッフとして参加したりしています。同じく、会社で運営しているYMCAの施設で、子どもたちとお絵描きをしたり。仕事では得られないつながりや交流が生まれて、面白いですよ」

ここまで話を聞いて、小山のリーダー論から核をひとつ取り出すとすると「コミュニケーション」という言葉に尽きるだろう。とかく上の世代は若い世代とのコミュニケーションに苦心しがちだが、小山のそれは、先入観がなく、考え方もフレキシブルだ。

「多くの人たちと一緒にもっともっと大きな渦を、もっともっといろんな場所で起こしていきたい。それが、僕が考える本当の意味でのリーダーの姿ですし、街のバリューアップにもつながっていくんだと思います」

背中で語ろうとする“昭和な側面”を備えつつ、コミュニケーションに重きを置いたチームプレーを目指す。そんな小山や、彼らの世代がそのソフトなリーダーシップを操りながら、つくり出していく未来が楽しみだ。そこにはきっと、「ILLUMIRISE神保町」と蕎麦店のように、新旧の垣根を包括したやさしい景色が広がっているはずだ。

Next Frontier

FRONTIER JOURNEYに参加していただいた
ゲストが掲げる次のビジョン

多くの仲間や関係者を巻き込み
より大きな“渦”を起こして
街全体をバリューアップする
編集後記

昭和生まれの世代からすると、いわゆるリーダーとは「チームをけん引する者」だろう。もう少し具体的に言えば、“メンバーをまとめる強くて厳しい存在”だ。右肩上がりの成長を前提とし、少しずつ進歩していく社会ではそんな資質が求められたのだ。しかし、ここ十数年でインターネットや流通が劇的に進化し、世界は小さくなり、世界中と密接に関われるようになった。現代は、ある小さな出来事が、予想だにしない結果を生むいわば“複雑系”ともいえる社会なのだ。実際、遠い異国で起きた小さな工場のストライキが、日本の大手企業の株価に大きな影響をあたえることもある。
そんな未来の予測が困難な社会では、チームをひとつにまとめるだけのリーダ−では柔軟な対応が難しい。何が起こるかわからないからこそ、メンバー個々人の個性や強みを十分に発揮させ、多様性を尊重する。それが新時代を生き抜くリーダーなのだ。小山の姿を見ていると、新しいリーダーに必要な資質を無意識の中で自然と理解していると感じた。

いかがでしたでしょうか。 今回の記事から感じられたこと、FRONTIER JOURNEYへのご感想など、皆さまの声をお聞かせください。 ご意見、ご要望はこちらfrontier-journey@sunfrt.co.jpまで。

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