~ 2024年3月期 第3四半期を終えて ~

 株主の皆様におかれましては益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。また、このたびの「令和6年能登半島地震」でお亡くなりになられた方々とご遺族の皆様にお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 当期における国内経済は、新型コロナの5類移行による社会経済活動の正常化によって社会に賑わいや活気が取り戻されるとともに、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の急増により、緩やかな回復が継続いたしました。一方で、金融面においてはゼロ金利政策の解除に向けた議論が活発となり、金利動向の影響を比較的受けやすいと言われる不動産業において、先行きを注視する必要がある事業環境となりました。こうした中、当社グループは「利を求むるに非ず、信任を求むるにあり。変わるのは自分、お客様視点でお困りごとを解決する、期待以上で応える」という大方針の下、お客様のご満足を追求し、社会課題の解決に資する事業を進めてまいりました。

 当第3四半期の業績は、売上高62,258百万円(前年同期比17.4%減)、営業利益14,163百万円(同3.6%減)、経常利益13,902百万円(同3.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益9,744百万円(同5.9%減)となりました。大型物件の売却が集中した前年同期比では利益等が伸び悩んだものの、業績予想の上方修正を発表した通り、通期経常利益では過去最高を更新する予定です。中核事業である不動産再生事業は、販売が順調に進捗し業績を牽引いたしました。また、不動産サービス事業は堅実に業績を伸ばしつつ、ストック事業として安定的な収益を創出しています。さらにホテル・観光事業においては、ホテル運営事業の業績改善が加速しております。他方で、リプランニング事業における物件の仕入れは過去最高となる水準まで進捗、ホテル開発事業では全国各地で多数の開発計画を推進しており、中期経営計画の最終年度となる来期、さらには次の成長を見据え、事業基盤の構築を着々と進めてまいりました。

 今年4月に25周年を迎える当社グループは、“限りある資源を活かし、新たな価値創造に挑み続け、世界一お客様に愛されるビジョナリーカンパニーを目指す“というビジョンの下、様々な取り組みを行ってきております。その具体的な事例としてリプランニング事業における特徴的な取り組みを1件ご紹介させていただきます。日本橋の一棟収益オフィスビルにおいて、当社購入時点で遵法性に問題があったものの、是正工事を行うことで遵法性を回復させ、不動産価値を高めた案件です。本案件では、1階の店舗において過去に適切な申請手続がなされないまま増築が行われておりました。加えて、是正工事のための長期休業は出来ない店舗側のご事情に加え、上層階において既存不適格部分が新たに見つかるなど、是正に向けた調整は難航を極めました。しかし、会社設立来20年超に亘り培ってきた不動産再生の知見を結集するとともに、行政機関との建設的な対話を粘り強く重ね、また当社管理部門が各テナント様とのリレーションを構築することで、1階店舗は営業を継続したまま是正工事を完了し、最終的に増築申請を行ない、完了検査を経て、無事に検査済証を受領することができました。本件は、中小型オフィスビルにおける再生ノウハウを蓄積し、かつ各事業との連携力を備えた当社ならではの再生事例となり、結果として高い流動性と遵法性を備えた不動産に再生し、社会に供給還元することが出来ました。

 また、2023年9月に事業提携契約を締結したアドバンテッジアドバイザーズ株式会社(以下、AA社)との取り組みが本格的に始動し、オフィス事業やホテル事業等のさらなる成長と発展を目指し、5つのプロジェクトを立ち上げ、取り組んでおります。AA社のノウハウやネットワークの活用と、高度な専門知識を有する外部人財のハンズオンによる経営支援により各種施策を実行・推進いただいており、今後の中長期的な当社グループの企業価値向上につなげてまいります。

 当社グループは、社是である「利他」の心で、高い志に基づいた事業の拡大に創業以来取り組んでまいりました。今後も、ステークホルダーの皆様との調和を図り、持続可能で豊かな社会の実現に貢献いたしてまいります。

 株主の皆様におかれましては、一層のご支援、ご鞭撻を賜りますよう引き続きお願い申し上げます。

2024年2月8日
サンフロンティア不動産株式会社
代表取締役社長
齋藤 清一

サンフロンティア不動産株式会社

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